ここではチラシの歴史にまつわる様々なお話を紹介していきます。
チラシの歴史は古く、紙の値段が下がった江戸時代にまでさかのぼります。
当時、チラシは「引札」と呼ばれていました。
チラシを作るには広告文を書くこと、いまでいうコピーライターが必要になり、
活躍したのは平賀源内や山東京伝、式亭三馬ら名だたる作家たちで、
生活費を稼ぐためだったのではないかともいわれ、広告文集も出版されており、
京伝の「ひろふ神」(1794年)、三馬の「狂言綺語」(1804年)が有名です。
その「ひろふ神」に、高い地価の例えとしてよく使われる「金一升土一升」という言葉が出てきており、
当時の相場はよく分かりませんが、江戸の町の地価はかなり高騰していたようです。
60年代からインディペンデント系映画館を経営している方のお話によると、
オーストラリアでは70年代から映画チラシが出回るようになったようです。
当時は、Flyerとは言わずに、Dodgerと呼ばれていました。
それまではアメリカと同様に映画ポスターと新聞が主な宣伝媒体で、
ただ映画題名と上映時間が映画館の前に書いてあるだけで、
映画を見に来たお客さんはどんな映画なのかさっぱりわからないということが多かったようです。
そこで宣伝をかねて、映画チラシが作られるようになりました。
しかし、あくまでも目的はマーケティングです。
日本のように全ての公開映画のチラシが作られるということではありません。
70年代から90年代初めにかけては、ハリウッド大作でもチラシが作られていました。
アメリカには映画チラシがないので、オーストラリアで作成したチラシを
アメリカに送っていた時期もあったようです。
でも最近はわざわざハリウッド映画のチラシを作って宣伝しなくても、
テレビやラジオなどの宣伝媒体で動員数が確保できるためにあまり作成していません。
よって、よく出回るチラシは主にハリウッド以外の外国映画又はインディペンデント系映画が多いのです。
やはり英語圏です。考え方が合理的です。
オーストラリアにはアメリカと同様、映画ポスターのコレクターはたくさんいます。
しかし、映画チラシとなると?です。
私の友人である映画の生き字引きアイボー(ソニーのロボット犬ではなく、ええ年したオッサン。
でもちょっぴり顔は似てるかも)によると、「自分のまわりに映画狂はたくさんいるけど、
映画チラシ・コレクターはいないなぁ」との事。彼自身、映画館に行く度にチラシをゲットしてきますが、
それをファイルしている様子もなく汚い茶封筒に入れたままだそうです。
先日、私は思いきってアイボーに「もし年代の古いチラシがあったら、譲ってくれないか?」
と聞いてみたのです。そしたら、彼は一言、 「あぁーあれなら、先週掃除の時に全部捨てちまったよ!」
あまりの衝撃で一瞬言葉を失った私...。
話が少しそれましたが、このように不思議なことに、
今だに本当の英語版映画チラシ・コレクターに遭遇したことはありません。
ショップも映画書籍の専門店やポスター店ならほんの少しありますが、
映画チラシを売っている店は存在しません。
ひょっとすると、このサイトにある90年代前半の映画チラシがもうすでに
レア物になってしまっているのかも知れません。
また、これから英語版映画チラシをゲットするコレクターの皆さんのチラシが
レア物になる可能性は大!です。やはり、コレクターとしては必然的に年代の古いチラシや
レア物に魅力が移っていきますよね。当然、今まで日本では英語版映画チラシはない思われており、
出回ってないわけですから、90年代であってもレア物には違いないのでしょう。
英語版映画チラシのサイズは、主にA4とA5サイズです。
90年代半ばまでは、A4見開き又は3折りで、紙質も良い豪華版がありました。
しかし、コスト削減のために年々サイズも小さくなってきています。
たまに特殊サイズを見かけますが、これは本当に稀です。
ヒット作「アメリ」のチラシは、CDサイズ(12.5cm*15cm)の4折りで、
しかも全カラーで紙質も良いものでした。ひさびさの豪華版といった感じです。
(いまメンバーになるとこの豪華版「アメリ」チラシをゲットできます!先着順ですのでお早めに!!)
また、面白く変形させたチラシも稀にあります。
「オースティンパワー」や「枕草子」等のチラシは、とても変わっていて、凝ったデザインでした。
当然、インディペンデント系映画等で宣伝にあまりお金をかけられないものは、
単色で紙質の悪いスピードチラシのようなものもあります。
しかし、それはそれで味のあるものに仕上がっているチラシも多く見られます。
特にクラシック映画のリバイバル上映用のチラシなどは何となくノスタルジックを感じさせます。
デザインには、オーストラリア独自のものとオリジナル・ポスターをそのまま使ったものがあります。
オーストラリア独自のデザインがオリジナル・ポスターのよりも良い場合もあります。
これは日本語版映画チラシにも多々見うけられますね。デザインの良し悪しは、
その人の好みですので一概には言えませんが・・・
当然ながら、オーストラリア映画のチラシは当地が本場ですので、
このサイトにあるものがオリジナル版となるわけです。
よって、当サイトにあるシャイン、タップドックス、エイミー等のオーストラリア映画のチラシは全てオリジナル版です。
英語版映画チラシにも、「館名入りチラシ」や「タイアップチラシ」、または「サントラ盤チラシ」があります。
まず、「館名入りチラシ」に関しては、オーストラリアの映画館事情を説明しなければなりませんが、
これはもう一つのコーナー「オーストラリア映画産業事情」を見て下さい。
館名入りのチラシはインディペンデント系映画館で上映されたものがほとんどです。
よって、大手の映画館名の入っているチラシは、現在はほとんどありません。
これは、「全国一斉ロードショー」という表現で、チラシの裏に示してあります
(この表現に関しては、チラシ de 英語コーナーを参照して下さい)。
こういう表示をしておくと、上映館数が増えた場合、同じチラシが使えるため、
コスト削減にもなります。当地では、インディペンデント系映画館で上映していた作品がヒットすると、
大手映画館で一斉に上映し始めます。これは、アメリカの配給システムと同じです。
「タイアップチラシ」は、当然その映画によって違いますが、
最近では「アメリ」のチラシがエアーフランスとタイアップ(小さいロゴ入り)してましたし、
「真夏の夜の夢」が化粧品会社のマックスファクターとタイアップしているのもありました。
また少し変わったものでは、「ザ・ハリケーン」が先行ロードショーの入場料の一部を○○に寄付をする
といったチラシもありました。話はそれますが、オーストラリアではこういった寄付や募金活動が活発です。
オーストラリアには、こういうサポート精神にあふれた人達がたくさんいます。
それに伴い、オーストラリアの映画館や配給会社は時に慈善事業上映を行います。
「映画を見るとそれが慈善事業につながる」、すごい事だと思いませんか。
日本の大手映画館でもこのくらいの事ができる余裕をもってほしいものです。
オーストラリアの全人口はたった1900万人です。東京の人口より少し多いぐらいです。
面積は日本の約21倍あるのですが...チラシの発行部数も日本に比べて、断然少なくなります。
それよりまして少ないのがインディペンデント系映画館のチラシです。
もともとの発行部数が少ないため、90年代前半のチラシでももうすでに数枚しか
この世に存在しないものもあるでしょう。