月別アーカイブ: 2012年7月

チラシ制作の際の空間の使い方について

本日、我が家のポストに合唱団の演奏会のチラシが入っていました。
模様などがない、真っ白な地の上に、明朝体のみを使い、字の色は黒と青のみでデザインされていました。

このチラシをパッと見て、さびしすぎる印象を受けました。
掲載している項目は、
・演奏会タイトル
・曲目(4曲)
・合唱団名
・日時
・団員募集のお知らせ
・お問い合わせ先

たったこれだけです。
私が感じた寂しさの原因は、掲載する項目の少なさではなく、項目一つ一つの扱いをとても小さくしていたことでした。
演奏会のチラシの場合、演奏会のタイトルは大見出しです。
掲載する項目が特に少ないのならば、紙面の1/3くらいのスペースを使って大きく掲載してもよかったのではと思いますが、
このチラシでは、紙面右上に、特に大きくないフォントサイズでおとなしく掲載されていました。
そもそも、人の視線は左上から右下に移動します。
せっかくの見出しを、左上でなく右上に配置しているのも、バランスがおかしいと感じる要因ですね。

曲目は紙面真ん中に、その下に合唱団名、日時と続けて掲載されていました。
演奏会のチラシ等、日時が限定されているチラシ制作時は特に、日時の扱い方は大事にする必要があります。
フォントの種類を変えたり、色を変えたり、サイズを大きくしたり等、他の項目と差別化する必要があるのですが、
このチラシではそちらもあまり考慮されていませんでした。

最後に団員募集のお知らせが掲載されていたのですが、何故かこのお知らせのタイトル部分のみ、
青い丸の枠に入れられ、他の項目と差別化されていました。

なぜここだけ、青い丸の枠を使ったのかはわかりませんが、結果的に、この団員募集のお知らせ部分が、
チラシで一番目立ってしまっている、という本末転倒なデザインになっていました。

真っ白な背景に、フォントサイズは小さめの明朝体のみ使用。おそらく、贅沢なスペースの使い方をした、
高級感あふれるデザインを目指していたのでしょうが、セオリーから外れた配置をしてしまったり、
一部の項目だけ完全に浮いたデザインをしてしまったせいで、何のチラシかよくわからない、
全体的に文字が小さい、ただの寂しいチラシが出来上がっていました。

デザインの方向性を決めたら、そこから外れることなく、最後までブレずに作りきることが大事ですね。

チラシ制作と配色について

本日、レストランのチラシが新聞折込されていました。

「おいしさと笑顔がいっぱい」というキャッチフレーズと、
とても美味しそうな料理の写真が並び、すぐにレストランの宣伝だとわかったのですが、
何か違和感が。
全体を見てみると、背景が青色だったのです。
真っ青といっても、高級感あふれる、明度が低い暗い青色ではなく、
とても涼しげな明るい青色が背景色として使われていました。

おそらく、夏ということもあって、涼しげな印象を与えたかったのかもしれませんが、
食べ物を美味しく見せることが最重要のチラシで、青色を使うのは良くないですね。
基本的には、食べ物を美味しく見せる色は、赤や黄、橙といった暖色系の色と言われています。

このチラシが、ビアガーデンのチラシだったり、冷麺や冷製スープなどといった、冷たいグルメの紹介チラシなら青色で問題ないと思われますが、
今回のチラシは、ビーフシチューや中華料理など、暖かい料理の写真が沢山並んでましたので、
やはり暖色系の色を使ったほうが、料理写真を美味しく見せる効果もより上がります。

奇をてらった配色で読み手の興味を引くことと、「違和感」を与えることは意味合いが全く異なります。

読み手が理解しやすい「狙い」がない限りは、セオリー通りの配色を行うことが大事です。

チラシ制作は細部まで丁寧に

本日、パソコン教室のチラシが新聞折込されていました。

表面では、エクセルを覚えると仕事の効率がアップしますよ!
無料体験セミナーを開催しますので、是非体験してください!
という内容を主に訴えかけていました。
画像を多く使い、視覚的に効果がイメージしやすく、
全体的にすっきりまとまったデザインとなっていました。

裏面を見てみますと、その他アピールしたい項目が所狭しと並び、
表面と比べて若干窮屈な印象を受けましたが、四角や丸の枠を適度に使用し、
文字の見せ方を工夫しているため、読むのに退屈しないデザインとなっていました。

そして裏面の1/4程度のスペースに、複数ある教室の教室名と地図が掲載されていたのですが、こちらは何故か、シアン1色のみでデザインされていました。
チラシの半分以上は非常に明るい、カラフルな配色で仕上げられていたのにも関わらず、
教室名のスペースだけは何故かシアン一色。
まるで1色刷りの他のチラシから切って貼り合わせたのではないか、と思えるくらい違和感がありました。

おそらく何らかの意図があって、シアン一色で仕上げたのでしょうが、
細かい部分でも手を抜いたら、デザイン全てが台無しになるということを改めて実感しました。

ピザ屋さんのチラシ

本日、我が家の郵便受けに、某ピザ屋さんのチラシがポスティングされていました。
表面のデザインを見ると、左上と右下に、もう少し大きくすると重なってしまいそうなほど、
どデカくピザの写真が配置されており、写真の横にピザの商品名。
ピザの写真を区切るように真ん中に透明のラインが引かれ、
そこに大きな文字で「価値ある¥1,500」と書かれていました。

細かい部分は除いて、表面に書かれていたことは、それだけでした。
新発売の2種類のピザを売り出すチラシなのですが、なかなか思い切ったデザインです。
ピザの説明は最小限に留め、ピザから立ち上る湯気や、持ち上げた部分からとろけるチーズなど、
読み手に「食べたい!」と思わせるような、インパクトの強い写真の使い方をしています。

飲食店のチラシなどで、このように食べ物や商品の写真を大きく扱い説明を添える、という手法は頻繁に使われますが、
このチラシを見ると、説明を細かく書くよりも、実物を上手なアピールで見せる方が、読み手に対する説得力は格段に高い、ということがよくわかりますね。

チラシ制作とターゲット

チラシの制作を行うに当たって、まず最初に明確にしておきたいこと。
それは、ターゲットの明確化です。
男性向け、女性向け、子供向け、若者向け、主婦向け、高齢者向けなど、
ターゲットとする層は細かく分けることができます。
服屋さんなどの店内でディスプレイされている洋服の合わせ方などは、
購買層であるターゲットの好みに合わせ、共感を得るような見せ方をしています。
チラシにもこの「共感」という考え方は大事で、ターゲットの心を掴むようなデザインを行う必要があります。
例えば、若い女性をターゲットにした、美容室のキャンペーンチラシ。
明るめの多くの色を使ったポップなイメージ、女の子らしさを強調し、ピンクを基調としたキュートなイメージ。
「若い」「女性」のみに絞っただけで、ある程度デザインの方向性が絞れてきましたね。
ターゲットを明確にしないと、なかなかデザインの方向性が定まらず、面白みのないチラシが出来上がることもありがちです。
チラシを作る以上、利益を生み出すことは必須です。
そのためにも、ターゲットは明確にすることが大事なのです。

チラシを作る目的

我々は、多くのお客様からご注文いただき、チラシの制作を行っています。

お客様は何の目的があって、我々にチラシの制作を依頼するのでしょうか。

キャンペーンの告知、新規開店のお知らせ、会員募集などなど。。

簡単に言えば、利益を生み出すためです。

チラシは、基本的に熟読されるものではありません。

チラッと一瞬見られて、興味を惹かれなかったら、すぐ捨てられるものです。

ですので、チラシを手に取った方に興味を持たせるような見せ方が大事になってきます。

見出しを大きく打ち出す、共感を得るようなキャッチコピーを考える。方法は様々です。

我々はご依頼主様の業種、ターゲットとしている層などを把握したうえで、的確なデザイン、興味を持たれる見出し、反響があるチラシの作成を行います。

チラシの作成順序について

チラシを作るにあたって、何から始めたらいいでしょうか。
使う画像を決める?全体の色目を決める?
それらも後々必要になってきますが、チラシを制作するにあたって、まず最初にやるべきこと、
それは、「白黒でデザインを作りきる」ことです。
チラシの見せ方の一つに、文章の字の大きさ等にメリハリをつけて、読み手に抵抗なく上手に伝えられるか、があります。
究極のところ、イラストや写真、色彩などを一切排除し、白黒の文字と枠だけでチラシを作り上げるようになる必要があります。
難しく感じるかもしれませんが、これは基本的なことなのです。

チラシに限らず、どの作業にも下準備や設計といった工程はかならず発生します。
スケッチを行うとき、いきなり絵具で描き始めますか?まずは鉛筆で下書きを行いますよね?
それと同じです。下書きがうまくいかないまま次の工程に進んだとしても、満足いく作品はなかなか生まれないと思います。
色を塗っては見たものの、なんか違う。。画像を足して誤魔化そうか。。。
なんてことをしていると、結局グダグダなチラシになってしまうんですよね。

むしろ、下書きさえしっかりできていれば、あとは色を付けたり装飾すれば完成なので、
一見遠回りなようですが、完成までの最短ルートなのです。
何事も基礎が大事なのです。