月別アーカイブ: 2012年8月

説明不足なチラシ制作

今日の昼休み、部下の男の子が何やら怒っていた。
遠巻きに何が原因で怒ってるのか探ってみたところ、
どうやらお菓子の味が想像していたのと違う事で怒っているようだ。
笑い話になるかと思い、部下に何を食べているのか聞いてみたところ、
昔からある、食べたときに口に広がる刺激がウリのお菓子の新商品だった。
「これ、刺激が全然ないんですよ!」という部下。
一つもらって食べてみたところ、確かに刺激が全然ない、普通のグミだ。
「クレーム入れます!」と怒る部下をなだめて、ホームページにて商品の説明を見たところ、
小さく「食感が刺激的!」みたいなことが書いてあった。

商品パッケージを見てみたけれど、そのような記載はなく、昔からある商品の特性上、
味が刺激的と勘違いしてもしょうがない、というか、電撃がほとばしってるパッケージからは、
ほぼ全ての人がそう勘違いするだろう。

1つ100円くらいといえど、このお菓子は全国のスーパーやコンビニに並ぶのである。
部下が怒っているように、説明不足が原因で、想像と全く違ったものを購入してしまった消費者を敵に回してしまう可能性が大いにあるのである。
チラシの制作を行う際も、過不足ない説明を行うよう気を付けるべきだ。

シンプルなチラシ制作

シンプルなデザインでのチラシ制作を依頼されるお客様のうち、
「無印良品」のようなシンプルで簡単なイメージでお願いします、というご注文をいただくことがあります。
おそらく、余計な飾りがなく、空間を贅沢に使った文字と線だけのシンプルなチラシにしてほしい、という事なのですが、
無印良品のデザインは、決して手抜きでできているわけではありません。

「レス・イズ・モア」という考え方のもと、無印良品のデザインは作られているのです。
この「レス・イズ・モア」という言葉は、「より少ない事はより豊かな事」という意味で、
無印良品のデザインも、色々なデザインパターンを検討した結果、余分な要らない部分はどんどんそぎ落としていって、
今のシンプルなデザインが出来上がっているわけです。

確かにシンプルなデザインですので、見方によっては手抜きと思われるかもしれませんが、
実は非常に洗練されたデザインなのです。
例えば、新聞折り込みの中に無印良品のチラシが紛れていたとして、一部を見ただけでも、
これは無印良品のチラシじゃないか?と認識できると思います。
手抜きでありふれたデザインだったら、とても認識はできません。
「無印っぽい」デザインお願いしますというご依頼があるように、
無印良品のデザインはとてもユニークなデザインなのです。

チラシ制作と感想

本日、新聞折り込みされていたチラシの中に、自転車屋のチラシが入っていた。
私がデザイナーになりたての頃、上司に自転車屋のチラシを見せてもらったことがあって、
その場で見た感想を教えてくれと言われたことがあった。

チラシの構成は、様々なモデルの自転車が等間隔のマス目に綺麗に整頓されているデザインで、
パッと見た印象は、特に何とも思わない、面白みのないデザインだなという印象だった。
しかし当時の私は、上司からの問題に少しでも良い回答を返したいと、
「この辺だけ価格を赤色にしてるので、この辺の商品を主に売り出したいんですね。。」とか、
「自転車のモデル毎に服装や景観が変わっているので、自転車の用途がわかりやすいです。」という感じで、無理やり感想を絞り出して答えた。

結局、このチラシからは何も感じないという事が上司に伝わってしまったのだが、
上司も同じ感想だという。

見出しもない、ただただ商品を並べているだけの、何の印象も残らない面白みのないチラシ。
この「何の印象も残らない」というのが最悪で、こんなチラシだったら読み手に絶対読まれずに即ゴミ箱行きになる。
商品PRを主に打ち出した内容なのだが、メリハリがなさ過ぎて全てが目立たない。
こんなチラシは作ってはダメだと、上司は教えてくれました。

その後も何かのチラシを見るたびにダメな点を見つけて、自分ならこうするというデザイン案をイメージするようにしています。
皆さんが配布しているチラシも、客観的な視点で見たときに、更に品質を向上できる案が浮かぶかもしれません。
日頃、色々なチラシを見て、いい点や悪い点を見つけて、今後のチラシ制作に活かしましょう。

チラシ制作と値下げ広告

最近は物が売れないという話を、あちらこちらでよく耳にします。
至る所で値下げ競争が行われているのですが、それでも消費者の反応は鈍く、
色んな角度からのチラシ制作でのアプローチを試してみても、やっぱり売れない。

しょうがないから採算度外視で大幅に値下げをして、ようやく売り上げは上がったものの、
全く利益が無い。このような負の連鎖があちらこちらで起きていると聞きます。

衣料品のバーゲンセールなどの意味のある値下げなら良いですが、
売れないからという安易な値下げは、自分の首を絞める行為に他なりません。
安易に値下げキャンペーンを行っていると、消費者は安い時にしか買いに来なくなります。
どうせもうすぐしたら安くなるからその時に買いに行こうと考えるのが普通ではないでしょうか。

今の時代、値下げ戦略で押すのではなく、商品に付加価値を付けて消費者に魅力を感じてもらう。
良いチラシ制作で消費者の心を揺さぶる宣伝手法を行い、納得して価格に見合った商品を買ってもらう。
正攻法で戦っていきましょう。

チラシ制作とサンクコスト

つい先日、サンクコストについて書かれた記事を読んだ。
サンクコストとは、埋没(サンク)した費用(コスト)のことで、投資したのに回収できない費用の事を指します。
私が読んだ記事ではスポーツクラブを題材にして、非常にわかりやすい例をあげていました。

スポーツクラブに5万円払って入会し、毎月1万円の会費を払うが、2ヶ月ほど通ったころから仕事が忙しくなり通えなくなる。
周りは辞めたらどうかと勧めるが、本人は既に数十万円払っており、元を取るまでは辞めるわけにはいかないと頑なに拒否。
このような「サンクコストの呪縛」にかかってしまった場合、既に払った費用が惜しくなり、
合理的な判断が出来ないままずるずる続けて、結局は無駄な出費を増やしてしまうことに繋がる。
経済学的には、未来へ続く合理的な判断のために、「サンクコストはきっぱり忘れる」ことが鉄則。というような事が書かれていました。

よく、ベンチャー系の企業がサンクコストに憑りつかれた結果、廃業したというニュースを目にします。
チラシ制作会社に頼んでチラシを作る。これも安い買い物ではありません。
しかし、そのチラシのアプローチが失敗していて、思うような利益が出なかった場合。
増刷なら数千円。作り直しなら数万円です。
結果が出ない物にすがっていても意味がありません。サンクコストはきっぱり忘れて、
利益が出る良いチラシで勝負しましょう。

facebookを扱ったチラシ制作について

facebookの流行に伴って、独自のfacebookページを作っている企業やお店も増えてきています。
また、チラシ制作の際も、店名や住所、URLと一緒に、facebookページのQRコードを掲載してほしい、
というお客様も増えています。

facebookページを載せる際は、これはfacebookのページだよ、という事を伝えるために、
「facebook」という文字のそばにQRコードを配置したりするのですが、
この際に、facebookのロゴの画像をどこかから入手して使用してしまった場合、罰せられる可能性があるので注意してください。

facebookの公式ガイドラインによれば、
Facebookロゴの使用は概して認められません。特定の用途について特別に許可を取得したい場合は、
Facebook担当者にお問い合わせください。
との記載が。

「f」という一文字のみが使われているロゴは使用可らしいので、使うならそちらを使うようにしましょう。
このように、ロゴや写真などを使用する際は、商用使用可かどうか、まず確認してから使用するよう気を付けましょう。

ダメなチラシ制作の例②

以前、ダメなチラシ制作の例として、イメージと全く合わないデザインでチラシ制作してしまう事を挙げましたが、
その他にも、伝えたいことを明確にできていないチラシも問題です。

チラシを制作するにはお金がかかります。デザイン費や、印刷費。新聞折り込みやポスティングにも料金は発生します。
せっかくお金をかけて宣伝するんだから、あれもこれも大きく掲載してみよう。そうすることで、全体の売り上げが上がるんじゃないか。

このように色々詰め込みすぎて、何を売り出したいのかわからないチラシは、読み手の目には留まらずに捨てられます。
雑多に色んな商品の安売り情報が並ぶスーパーのチラシですら、目玉商品は他の商品と大きさや表現に差を付けて、
読み手の目に真っ先に留まるようにしています。

チラシをじっくり読んでくれる読み手なんてほんの一部です。そのほんの一部の人間も、
真っ先に目に入る見出しや商品写真を見て商品に興味を持ったからこそ読んでくれるのです。
あれもこれも大きく詰め込むのではなく、わかりやすいチラシ制作を心がけましょう。

生徒募集のチラシ制作

生徒募集のチラシ制作に、このような記述があります。

人間がサービスや商品を購入する時は、商品やサービスに興味を示し、納得した時である

季節や時期を問わず、様々な教室や学校の生徒募集チラシが制作され、配られています。
キャンペーンや割引などお得感を前面に打ち出して集客を狙う学校もあれば、
教室のいい所や、入塾したことで得られるメリットを取り上げるスクールもあり、
宣伝の仕方はそれぞれです。

あなたが仮に何かを学ぼうと考えていたとして、その学校を選ぶ基準は何になるでしょうか?
おそらく大多数の方が、自分に合った環境であるとか、学習スタイルに納得した学校を選択されると思います。
値段が出来るだけ安いところを選ぶという方ももちろんいらっしゃるでしょうが、
安いだけで他のアピールがないと、反響は得られないでしょう。
キャッチコピーは教室の印象やチラシの反響を大きく左右します。
安さはあくまでエッセンス。あなたの教室にしかない強みを大きく訴えるチラシ制作を行いましょう。

ダメなチラシ制作の例

読み手に伝えたいことがストレートに伝わる紙面構成、
商品のコンセプトに合った、商品の価値を上げるデザインで制作されているものが、良いチラシといえます。
では、ダメなチラシはどういったものでしょうか。

ダメな例はいくつも挙げられます。
デザインが時代に合わず、古臭い。
使っている写真の解像度が低く、汚く見える等々。
チラシデザイナーではない方々が制作されたチラシによく見られるデザインです。

デザイナーではない方がチラシを制作する際に、同業他社のチラシデザインや、
デザインが好きなブランド等のパンフレットやホームページから、
デザインの好きな部分を模倣して制作することがあると思います。

しかしこれは下手をすると大きな間違いになってしまいます。
ブランドにはブランドのデザイン戦略があり、確固としたコンセプトのもと、
細部まで計算されたデザインを制作し、検討に検討を重ねた末に売り出しています。
それを完全に模倣するのは到底不可能ですし、中途半端に模倣したデザインを制作したところで、
そもそものブランドのコンセプトを理解していないまま作ってしまうことになります。
その結果、商品イメージとは全く合わないデザインとなってしまい、
間違ったイメージを読み手に与えてしまって、結果的に大失敗のチラシ制作になりかねません。

まずは、自社製品のコンセプトや強みを明確にし、世間に与えたいイメージを決め、
そのイメージに沿ったデザインでチラシ制作するようにしましょう。

チラシ制作とデメリットアピール

チラシ制作の売り出し方として多く見るのが、「これを続ければあなたも理想の体型に!」とか、
「1粒で1日に不足しがちな栄養素が・・・」のような、購入することのメリットをアピールする手法です。

もちろんこの「メリットを前面に押し出す」宣伝方法は効果的で、最もよく使われる手法なのですが、
よく使われる手法なだけにチラシの読み手も慣れてしまってて、工夫して面白い事を掲載しなければ、
読み手の心には届かず、ただ捨てられるチラシになってしまいます。

そこで時には趣向を変えて、買わなかった事で生じるデメリットをキャッチコピーにして、
読み手の心に揺さぶりをかける、という手法もチラシ制作では有効なのです。
上で挙げたキャッチコピーを改変して、「続けなかったあなたの5年後は。。」なんてチラシに書いてあると、
何となく不安になって、その商品のことを気になってしまいますよね。
やりすぎな表現は控えた方がいいですが、チラシ制作のアピールがマンネリ化している中では、
圧倒的な存在感を見せつける手法です。

恋愛と一緒で、ゴリ押しだけでは人の心は変わらないものです。
時には引いて揺さぶりをかけてやるのもチラシ制作の上では大事なポイントです。