月別アーカイブ: 2012年8月

手描きチラシ制作の注意点

本日、我が家のポストに歯科医院の手書きチラシが入っていました。
居酒屋さんや町の雑貨屋さんなどは、独特の味のあるおしゃれなデザインの手描きチラシを制作して配っているのをよく見かけますが、
今回入っていた歯科医院のチラシは、とてもおしゃれとは言えない、作りがとても雑なチラシでした。

字はとても上手とは言えず、隙間を埋めるために書いた歯のキャラクターの絵も雑で、
全体的に文字の大きさの変化などがなくとても読みにくい出来で、チラシを配ったのは逆効果ではないか?と思ってしまうほどでした。

手描きチラシを配ることによって、安心感や親近感を読み手に与えて集客アップ、という効果が期待できますが、
丁寧な治療と清潔感、安心感が求められる歯科医院にとって、雑なチラシを配るというのはマイナスイメージしか与えません。
こういう雑なチラシを作るところは、きっと診察も雑だ、と思われても仕方がないわけです。

よっぽどの絵心やセンスが無い限りは、チラシ制作会社に依頼するのが妥当ではないでしょうか。

チラシ制作の目線

商品をPRするチラシを制作するにあたって、お客様の目線に立ってアピールすることはとても大事なことです。
どの商品やサービスにも、売れている商品と売れていない商品に分かれています。

チラシ制作ではこう論じています。

『売れている人』たちには共通点がございます。
商品やサービスがあふれている中で、自分たちの商品やサービスの居場所を消費者にPRすることが上手いということです。

商品を制作する側の人間は、その商品についての専門家になります。
「自分達が制作したこの商品は、他社製品にはないこんな魅力がある!」と、その魅力についてチラシで語るわけですが、
語る内容が専門的でマニアックな内容だったら、どれだけの読者がついてこれるでしょうか。

化粧品のチラシで、「○○を新配合!」とか書いてあるのをよく見かけますが、「あぁ、あれね!」とピンとくる読者は、
そんなに多くないのではないでしょうか。
読者に商品への興味を持たせるには、購入することで得られるメリットをイメージさせることと、共感を得ることが大事です。

他社製品との違いをはっきりアピールするためには、自社製品にしか含まれていない成分などをキッチリアピールしたほうがいいのでは。。。
そんな専門的でわかりにくい事を述べるのではなく、まずはお客様の目線に立って、
わかりやすいPRを行い、商品の良さが理解できるようなチラシ制作を行いましょう。

タウンミーティングのチラシ制作

本日、地元の衆議院議員の国政報告開催のお知らせチラシが新聞折り込みされていた。
選挙のポスターやチラシ制作では、議員のバストアップ写真と名前とキャッチコピーが、それぞれ目立つように掲載されるのが通例だが、
今回投函されていたのは、地域の住民との交流がメインのタウンミーティングのチラシなので、
チラシの中でマニフェストを掲げるわけでもなく、国政についてや地元に関する国民の疑問に、
Q&A形式で議員が答えるというコンセプトでチラシが制作されていた。

過去に民主党が掲げた公約のうち、いまだ達成できていないことや、東北のガレキの受け入れに関してなど、
市民が真に問いたいことについてあらかじめチラシで触れているため、
タウンミーティング本番でどのような話が聞けるか、読み手が事前に予想できる構成になっている。
基本的に難しくなる政治の話を事前に予習してもらえる点と、Q&A形式にすることによる読み手との距離の短縮が図られた、
選挙ポスター、チラシとは趣が異なる自身の売り込み方を行ったチラシである。

チラシ制作とわかりやすさ

警察署や役所に貼られている安全運転を促すポスターや、
住宅地にあるコンビニによく貼られている、アイドリングストップのお願いポスター。
どちらも、伝えたい内容はとてもシンプルで、「安全運転お願いします」「停車中はエンジン止めてね」といった内容だ。
一目見ただけで何を伝えようとしているのか、見た方が考えなくても理解できるように、
イラストを使ってデザインしたり等の工夫がされている。

情報の伝達に絵が多く使われている理由も、文字での説明では、言語が異なる国の方に情報が伝えられないため、
世界共通のユニバーサルデザインの考えに則り、単純なピクトグラムと呼ばれるサインでわかりやすく伝えているのだ。

チラシ制作の際も、読み手にわかりやすく伝えるためには、イラスト等を使った表現はとても有効なのである。

チラシ制作と起承転結

小説などの物語は、起承転結で成り立っています。
話の発端である「起」で読み手の気を引き、
続いて興味を惹き付けるための「承」。
飽きさせないために話題を転換する役割の「転」。
話の締めくくりの「結」。

この考え方は、チラシ制作にも必要な考え方になります。
チラシ制作には、こう記されています。

原稿の配置方法は、見栄えで決めるものではありません。
読む人にストーリー性を持たせて、最後まで読みたくなるような配置にしなくてはならないのです。

伝えたいことは山ほどある。だから全部目立たせて、全部印象強くして、インパクトを残す!
みたいな配置の仕方をしていると、ダメなんです。
また、見出しはいい感じで配置したけど他は微妙、みたいな尻すぼみなチラシも印象薄になってしまいます。

このブログでも何回か書いていますが、良いチラシ制作にはメリハリが大事です。
最初に目が入るよう、大きさや色を工夫して掲載した見出しで読み手の気を引き、
飽きられないように途中で何度か見せ場を作り、最後まで読んでもらう工夫をしてこそ、いいチラシといえるのです。

チラシ制作は体力勝負

私がチラシデザイナーになって間もない頃、上司から頂いた言葉に、
チラシ制作は体力勝負」というものがあった。

モノを作る際には、制作前に設計図を作り、その設計図をもとに作品を作る。
これはチラシ制作も同じで、最初にラフスケッチを描き、それに基づいてレイアウトや装飾を行っていくのであるが、
デザイン技術が乏しいうちや、完成イメージが曖昧でどう作っていけばいいのかわからなくなってしまった場合、
設定していたゴールまでたどり着くことができず、途中で目標を低く設定し直し、
自分でもいまいち納得しない出来のままフィニッシュする。ということをやりがちである。

スタミナが途中で尽きてしまい、諦めてしまった状態なのである。
自分が設定したゴールまで作りきるには、ブレない気持ちと走りきる体力が必要なのだ。

何事にも当てはまることではあるが、制作途中で投げ出してしまった作品には、
他人が見ても良い評価は決して付くことはないだろう。
良いチラシを作るには、最後まで諦めてはならないのである。

レジャープールのチラシ制作

本日新聞折り込みされていたチラシの中に、隣町のレジャープールのチラシがあった。
大きなスライダーやバケツプールなど、楽しめるアトラクションが複数ある、
立派な施設のチラシである。

8月に入り、うだるような暑さが続きます。毎年この時期になると、
テレビ等で大型レジャープール施設のコマーシャルが流れますが、
「○日にオープン!」「大型ウォータースライダー登場!」など、
営業期間やその施設のウリであるアトラクションを前面に押し出した内容のCMをよく見ます。

本日折り込みされていたチラシのアピールは、それらとは一味違ったものでした。

表面の上半分に、「パパ、仕事忙しいから、遠くじゃなくて、近場でいいよ。」と、
可愛い子どもが水着姿でおねだりしている写真が使われており、自慢のアトラクションは裏面で紹介。

ターゲットはファミリー層に絞ったチラシ。
普段から仕事で忙しい父親にとって、お盆などの夏季休暇は家族サービスする絶好の機会。
でも疲れがたまっていて、遠出せずに家でゆっくり過ごしたい。
そんな父親の心を掴む、「遠くじゃなくて、近場でいいよ。」という、お気軽さ満点のキャッチフレーズ。
それに子供が行きたくて仕方ないと言わんばかりにおねだりしている写真。
忙しい父親の立場なら、「ああ、今年のお盆は、家族でプールに行こうかな」という気持ちになるのではないでしょうか。

他の施設のチラシでよく見られる、ウリであるアトラクションを表紙に大きく掲載する手法よりも、
変化が効いているよほど効果的なチラシと思えます。

このように、普通とは違う角度で攻めるが、ターゲットの心にはド直球をぶち込む。
そのような手法による表現こそ、良いチラシ制作といえるのではないでしょうか。