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チラシと印刷技術

今ではイラストレーターなどのDTPソフトを使って、パソコンでチラシのデザインを制作し、
作ったデータを印刷工場に送って印刷してもらうというのがチラシ制作の常識となっていますが、
一昔前までは今のような技術は当然なく、全て手作りでチラシ制作を行っていました。

今の印刷技術はどのようにして出来たのか、過去をさかのぼってみてみると、
7世紀ごろに中国で、木版印刷が始まります。
その後、1450年にドイツ人のヨハン・グーテンベルグが活版印刷技術を発明し、
1798年には、ドイツ人のアイロス・ゼネフェルダーにより、現在主流の印刷方法であるオフセット印刷の基礎となる、
平版印刷技術の原理が発明されました。
その後、アメリカのルーベルによってオフセット印刷が発明されますが、それはまだ100年前くらいの出来事で、
長い印刷技術の歴史の中で、オフセット印刷が登場したのはごくごく最近のことなのです。

チラシ制作と配色

チラシをデザインする際に使用する色の組み合わせによって、チラシのイメージは大きく変わります。
チラシ制作を行う時に、そのチラシの目的やターゲットなどは明確になっていると思いますので、
読み手に与える印象を配色でコントロールしてみましょう。

色を順に並べると、丸い環になります。これを色相環と呼ぶのですが、
色相環の隣り合った色同士は「類似色」と呼び馴染みやすく、
対角線上にある「補色」の組み合わせだと、色相差が最も大きいため互いの色を目立たせ合い、
とても目立つインパクトを与えることが出来ます。
同じ色相で明度や彩度差を出した場合、まとまりや統一感が出ます。

見出し部分は補色を使って目立たせたり、
全体の雰囲気を壊さぬよう、同色相や類似色を使ってデザインしたりなど、
読み手にどのような印象を与えたいか考えながら、最適な色を選んでチラシ制作を行いましょう。

チラシの紙の重さについて

チラシ制作の際にまず最初に決めておくことに、用紙サイズや紙質、紙の厚みなどがあります。
いずれの要素もコストと大きく関係し、用紙サイズが大きいほどコストがかかり、特殊な用紙だったり厚みのある紙の場合もコストが高くなります。

実際に用紙を選ぶ際には、「A4 コート紙 90kg」という選び方になるのですが、
お客様から、90kgって何?何が90キロなの?というご質問がよくあります。
例として90Kgを挙げましたが、他にも73kg、110kg、135kgなどがあります。

これは、原子サイズの印刷用紙1000枚当たりの重さを表します。
同じコート紙であれば、重さの数値が大きいほど、厚みのある紙になっていきます。

紙を厚いものにすれば、手に取った際に上等な印象を与えることが出来ますが、
その分印刷コストが通常の厚み(90kg)と比べて高くなってしまうため、
使用用途によって、適した用紙を選ぶべきですね。

チラシ制作とジャンプ率

ジャンプ率という言葉を知っていますか?チラシ制作には無視することのできない要素であり、
これを適当にしてしまうと、見栄えの良くない、出来の悪いチラシになってしまいます。

ジャンプ率とは、本文のサイズに対するタイトルや見出しサイズの比率のことを言います。
ジャンプ率が大きい(見出しの文字のサイズが本文の文字のサイズと比べて大きく、とても目立つ)チラシは、
躍動感や元気さなどといった印象を読み手に与え、逆にジャンプ率が小さいチラシは、落ち着いたイメージを与えることができます。

電気屋さんの安売りのチラシなどを見てみると、3Dに加工された「大安売り」といった見出しがジャンプ率がとても大きくデザインされているのをよく見かけます。
そして、IKEAや無印良品といった、おしゃれな雑貨屋やアパレル企業・美容系の広告は、ナチュラルで自然で、落ち着いたイメージを狙ってデザインされているものが多く、
それらのデザインはジャンプ率が小さく設定されているのが多くみられます。

チラシ制作時に、読み手にどのような印象を持ってほしいのか、ジャンプ率の大小でコントロールが可能なのです。