月別アーカイブ: 2012年12月

クライアントの意思を尊重したチラシ制作

私たちは普段、クライアントから掲載内容と希望の雰囲気などをお伺いしたうえで、
クライアントの希望になるべく沿う形でチラシ制作を行っています。
掲載する内容から適切な見せ方を考えて配置を行い、綺麗に仕上げていくわけですが、
ごく稀に、お客様が下書きの状態まで作成したものを整える仕事を依頼されることがあります。
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理屈に合ったチラシ制作

一目で意味が分かるチラシというのは、表現が上手いチラシであるといえます。
読み手の感性は人それぞれですが、それでも多くの人に同じ印象を与えたい場合、
その印象を与えるにはどのような表現を行えばよいか、という理屈を知っておく必要があります。
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チラシ制作と言葉の表現

2012年も終わりに近づいてきました。
当店では、10月後半から12月の前半にかけて、企業やお店から顧客の方に向けたクリスマスカードの制作を行っています。
クリスマスカードは、企業によっては海外に発送することもあります。
その際に気を付けたいのが「クリスマス」の文字の表記です。
クリスマスカードはクリスマスの贈り物ですので、メリークリスマスなどの文字が必ず入ります。
海外へ送る際は、「X’mas」は使わずに、「Christmas」を使うようにしましょう。
英語圏ではChristmas表記が一般的で、日本では当たり前のXの後にアポストロフィが付いたX’mas表記は誤りとされています。

チラシは主にお店の周辺地域に撒くので、文化の違いによる表記の誤りを気にする必要はないかもしれませんが、
専門的な難しい言葉を使っていないかなど使用する単語の一語一語を確認し、世間一般で用いられる常用語を主に使用するようにしましょう。
わかりやすい表現を用いて、効果のあるチラシを制作しましょう。

チラシ制作と文字の大小

読みやすいチラシには、掲載されている文字に様々な工夫がされています。
例えば、キャッチコピーなど重要な部分は目立つように特に大きくしたり、フォントを変えて区別できるようにしたり、
3Dなどの様々な効果がかかっていたり。
読みやすいチラシを作るには、見出し以外の部分でも読み手のことを考えた工夫が必要です。
その一つに、意図的に文字の大きさを変えることで特定の文字を強調するという手法があります。
文章内の重要な部分を大きくするか、重要でない部分を小さくすることで、強調したい部分が読み手に伝わりやすくなります。
セミナーやコンサートなどのチラシでは、開催日をしっかり伝える必要があるため、日付を強調して掲載することがあります。
「1月27日(日)」という内容を文字の大小を付けずに掲載するよりも、重要でない「月」や「日」の漢字を小さくすることで、
具体的な月日が目立ち、伝わりやすくなります。
他にも商品を掲載するチラシの場合、価格の「円」という漢字を小さくしたりすることで、価格をわかりやすく表示することができます。
また、文章などでは「の」「を」「から」など、前後の単語をつなぐ文字を使用しますが、これを小さくすることで、前後の丹後が特に強調され、
文章全体に抑揚が付いて読みやすくなります。

私たちは日頃から、試験勉強の際に特に重要な部分は蛍光ペンでマークしたりなど、読みやすい工夫をしています。
チラシ制作でも、その考え方は重要です。
文字の大小が付いていないチラシは、重要な部分がわかりにくい上に、のっぺりと締まりがない印象を与えます。
常に読み手のことを意識して、チラシ制作を行いましょう。

チラシ制作と和文フォントの選び方

効果的なチラシ制作を行うには、そのチラシの内容にあった書体を選ぶことが大事です。
和文のフォントも、明朝体やゴシック体、丸ゴシック体や楷書体などのカテゴリーに分かれ、
それぞれが持つ印象や演出性が異なります。

○明朝体
明朝体は、横線が細く、縦線が太いという特徴を持った書体です。
また、「うろこ」や「はね」、「はらい」などが表現されています。
最も読みやすい書体と言われており、古くから新聞や雑誌や書籍など、長文を読ませる際に使用されるフォントです。
落ち着いた印象を持ち、安心感や信頼感、高級感などといった印象を読み手に与えることが出来ます。
また、抑揚のある形から女性的な印象を与えますので、美容室などのチラシの見出しにもよく使用される書体です。

○ゴシック体
明朝体は線幅に差を持たせていましたが、ゴシック体は縦横全ての線幅が同じになるよう設計されています。
可読性や視認性がある書体ですので、見出しに適したフォントと言えます。
また、仮想ボディに対して字の面積が多い書体ですので、無骨で男性的な印象を与えます。
男性をターゲットにした製品やキャンペーンのキャッチコピーなどで、力強いイメージを演出する際に使用される書体です。

○丸ゴシック体
ゴシック体の角を丸めた書体で、曲線的で優しい印象を与える書体となります。
親しみやすさや子どもっぽさなどのイメージを持ちますので、家族を対象にしたイベントのチラシや、
お子様向けの学習塾や教室などのチラシに積極的に使用されます。

○楷書体
一画一画を続けずに、筆を離して書いた書体で、もとは手書き文字から来ています。
筆使いが感じられる伝統的な書体ですので、呉服店や料亭など、和の雰囲気や歴史を演出したい際に使用される書体です。

他にも、隷書体や行書体など様々な書体がありますが、チラシ制作で主に使用されるこれら4つのフォントの特徴についてまとめてみました。
今回ご紹介した記事はチラシをデザインするには当たり前の情報かもしれませんが、
「何となく」という認識でフォントを選んでいる方も多いと思います。
しっかり各フォントが持つ特徴を理解した上で、チラシをデザインするようにしましょう。

チラシ制作とデザインの重み

以前、会社の後輩がチラシ制作が出来ないと嘆いていました。
彼は入社一年目のルーキーで、かれこれ8ヶ月も経つのにかっこいいチラシが作れない、デザインが出来ないことを苦に思っているようです。
以前書いたデザインの苦手意識の記事で、チラシ制作の本来の目的について書きましたが、
彼も同じように苦手意識に憑りつかれているようです。
むしろ、「デザイン」という言葉に振り回されているようでした。
デザインという言葉には、芸術性や創造性といった、少し敷居が高く感じる意味合いが含まれます。
しかしその辺の要素を求められているのは一握りの天才で、チラシデザイナーには特に求められていません。
我々チラシデザイナーが求められているのは、読み手の気を引く表現と読みやすい構成で、売り上げにつながる効果のあるチラシを作ることです。
デザインという言葉には、「設計」という意味が含まれます。
色々なチラシを見て、良い表現を参考にして、読み手の心に響くチラシを設計することが、私たちチラシ制作者のデザインなのです。

チラシ制作と流れ作業

私たちチラシデザイナーは、多種多様な業種のお客様のチラシ制作に携わっております。
業種ごとに、デザインの共通点というか、お客様がチラシに求めるイメージがあります。
ですので、その業種のことを知り、中心から外れすぎないようなデザインチラシ制作することが大事です。
ここで気を付けたいのが、流れ作業のような感覚でデザインしていないか、ということです。
王道のデザインを意識しすぎて、読み手の心に響かない「普通」のデザインをしても、チラシとしては全く意味がありません。
ただ文字を紙面にバランスよく納めればいいわけではないのです。
見出しを前やったパターンみたいに目立たせて、ここは小さく綺麗に四角でまとめて、下に会社情報を載せてハイ出来上がり、
といった流れ作業感覚でデザインするのではなく、ターゲットとなる客層はどんな人たちか、
どんな表現をしたら興味を持ってくれるのかなどじっくり考え、思いついたアイデアを依頼主と相談して、納得できるチラシ制作を行いましょう。
どんな些細な仕事でも、依頼主はお金を懸けているという事を忘れないようにしましょう。

FAX送付状が付いたチラシ制作

セミナーやイベントのチラシ制作では、表面は開催の告知を宣伝し、裏面は参加申込み用のFAX用紙として使用することがよくあります。
FAX送付状といっても、テンプレートで用意されているような簡単なものではありません。
セミナーの内容や日時などの開催情報の後に、受講者の氏名や連絡先などを記入する枠が設けられている形式が一般的です。
情報を入力する枠だけ描けばいいというわけではないので、情報を綺麗にまとめるデザイン作業が必要です。
この際に、開催情報をよりわかりやすく載せようと、入力用の枠を削ってまで開催情報エリアを広げないようにしましょう。
あくまでも裏面はFAX送信状です。告知用に設けられたページではありません。
受講者に情報を書いてもらい、FAXを送ってもらうために設けられていますので、文字が書きやすいスペースは必ず確保してください。

また、カッコよく見せたいからという理由で、一般的なチラシと同じノリで細かな装飾を行わないようにしましょう。
FAXが届いた際に、装飾した部分が黒く塗りつぶされて見にくくなります。

また、なるべく塗りの面積を少なくしましょう。
今では企業に届いたFAXは紙ではなくPDFファイルに変換して確認するのが一般的かもしれませんが、
印刷した場合、塗りの面積が多いと無駄にトナーを消耗させてしまうことになります。
印刷にかかる時間も若干変わってきますので、理由が無い塗りは控えるべきです。
FAXを受け取る側の依頼主の立場になって、どんな送付状が捗るのか、一度考えてみてください。

最後に、送付状をカラーで作成する場合、組み合わせる色にしっかり明度差がついていることを確認してください。
彩度が違う明度が同じ色の組み合わせの場合、白黒印刷を行ったら同じ色で塗りつぶされてしまいます。
イラストを挿入する場合も同じです。一度グレースケールに変換して、白黒の場合どのように見えるか、必ず確認するようにしましょう。

高齢者向けのチラシ制作について

整骨院や在宅介護などの高齢者向けのチラシ制作では、若年者向けとは違って読みやすさに特に注意を払う必要があります。
まず文字の大きさですが、最低でも12ポイントは必要です。
これは老視の影響で、小さな文字が読みにくいためです。
また、文字が隣接しすぎている場合、1字が判別しにくいため、字間や行間はしっかり開けるようにしましょう。

次に、掲載内容はシンプルでわかりやすいものが好まれます。
難しい内容の文章を長々と掲載しても、なかなか理解できません。
たくさん掲載して、会社のことをいろいろ知ってもらいたいという思いはわかるのですが、
難しい内容だと、最悪の場合チラシを読むのを断念してしまう可能性もあります。
イラストや吹き出しなどを駆使して、スーッと頭の中にイメージが入り込むような、わかりやすい表現を心がけてください。

最後に、色の使い方も注意してください。
60歳以上の約9割の方は、程度の差はありますが、物が茶色がかって見えるようになります。
しかもそれは毎日少しずつ進行しますので、年を取るごとに程度がひどくなっていきます。
こうなると、若年者と違って色の判別も難しくなります。
薄いグレーと水色のような淡い色同士の組み合わせだと、同じ色のように見えてしまうのです。
せっかくいい内容のチラシを作っても、色の配慮で文字が読めないのでは意味がありません。
黒と白、青と黄色のように、コントラストがはっきりした色の組み合わせを行うようにしましょう。

チラシデザインを成功させるには

だいぶ前になりますが、チラシ制作は体力勝負だという記事を書きました。
途中で投げ出しては良いチラシはできませんよ、という事を書いたのですが、
今回はまた違う視点でチラシデザインについて書いてみようと思います。

デザインがうまい人のチラシは、細かいところまでしっかり作りこまれています。
パーツの一つ一つがしっかり出来ていて、見た人に「かっこいいな」という感動を与えます。

そして、デザインが下手な人のチラシは、総じて作りこみが雑で細かい配慮が足りないものが目立ちます。
また、文字や色のバランスもおかしく、最悪のケースでは何を伝えたいのかわからない場合もあります。

結局は、デザインの基本的な考えを理解しないことには、前には進みません。
もし自分が下手だと思うのであれば、上手い人の普段の作業を観察してみてください。
デザインに対する取り組み方が、おそらく全然違うのではないでしょうか。

チラシのデザインはセンスが大事なのではありません。いかにデザインの理屈を知っているか。
発想は知識の量で変わります。もし自分にはセンスが無いと苦手意識を持っているのでしたら、
悩む前にまずは本を読んでみてください。